吊り具

吊り具強度計算の実績|星形金具の許容荷重を明確化

建築現場で使用する星形吊り金具の許容吊り荷重を強度計算で確認した実績紹介画像

自社製の吊り具を使用しているものの、「何kgまで吊れるのか」「現場に何を根拠として説明すればよいのか」と悩んでいませんか。

これまで問題なく使用できていても、設計根拠や許容吊り荷重を示す資料がなければ、元請会社や現場担当者から使用を認めてもらえないことがあります。

本記事では、建築現場で使用されていた特殊形状の星形吊り金具について、引張・せん断・圧縮・溶接部を検討し、許容吊り荷重を明確にした事例をご紹介します。対応範囲や計算書の工夫、成果、費用・納期、相談時に必要な資料までまとめていますので、自作吊り具の強度確認を依頼する前の判断材料としてお役立てください。

星形吊り金具の強度計算実績概要

建築現場でチェーンとシャックルに接続された青色の星形吊り金具
今回ご相談いただいたのは、建築現場で鉄骨を吊る際に使用していた、特殊形状の星形吊り金具です。市販品ではなく、吊り作業を効率化するためにお客様が自社で設計・製作した吊り具でした。

これまでは大きな問題なく使用できていましたが、現場で「本当にこの吊り具で重量物を吊っても問題ないのか」と指摘を受けました。許容吊り荷重を示す計算書がなかったため、その場で強度の根拠を説明できず、資料を提出するまで使用できない状況となっていました。

そこで、既存形状を変更せずにどの程度の荷重まで使用できるのかを確認し、現場担当者へ説明できる強度計算書を作成しました。

項目 内容
案件内容 特殊形状の星形吊り金具に対する許容吊り荷重の強度検討
ご相談内容 建築現場で使用している自作吊り具について、現場担当者へ説明できる強度根拠がなく、現在の形状で何kgまで吊れるのかを明確にしたい。
対応内容 図面、寸法、材質、溶接情報、使用写真をもとに、引張・せん断・圧縮・溶接部の強度を確認し、安全率を考慮した許容吊り荷重を算出。
納品物 許容吊り荷重の計算根拠を記載した強度計算書(PDF)
費用・納期目安 費用50,000円、納期約2週間
※形状や資料の内容、検討範囲によって変動します。
相談時に必要な情報 材料の形状・寸法・材質がわかる図面、溶接部の詳細、実際の使用方法がわかる写真

ご相談内容と自作吊り具の課題

お客様の課題は、吊り具の強度計算を行える担当者がおらず、許容吊り荷重を具体的な数値で示せないことでした。

「今まで壊れたことがない」という使用実績はあったものの、使用実績だけでは、元請会社や現場担当者に対する設計根拠にはなりません。特に重量物を扱う吊り具では、どの部分にどのような力が作用し、どの部位が強度上の弱点になるのかを整理する必要があります。

また、強度が不足していた場合には、作業性を損なわないよう、現在の形状をできるだけ維持したうえで補強案を検討してほしいというご要望もありました。

注意点:

自作吊り具の「これまで問題なかった」という実績は、元請会社や顧客への強度説明根拠にはなりません。許容吊り荷重を数値で示せる計算書がない場合、現場での使用を認められないケースがあります。

吊り具の強度計算で行った対応

吊り金具を実際に使用し、鉄骨を吊り上げている状態

最初に、図面だけで計算を始めるのではなく、吊り具が現場でどのように使用されているかを確認しました。今回は実際の使用写真をご提供いただけたため、吊っている鉄骨の向き、吊り具の取付位置、荷重が作用する方向などを具体的に把握したうえで検討を進めました。

基本となる垂直荷重と溶接部に作用する荷重を整理し、以下の項目について強度を確認しています。使用材料はSS400、各部は溶接固定という条件です。

  • 吊り金具部分の引張・せん断強度
  • 引っ掛け部分の縁端距離(強度上の注意箇所)
  • 溝形鋼の強度
  • 各溶接部の強度(個別に算出)
注意点:

溶接部が破損すると吊り荷の落下につながります。母材の強度だけでなく、溶接部についても個別に強度を確認することが重要です。本案件では安全率5を設定し、その条件のもとで許容吊り荷重を算出しています。

伝わる強度計算書にするための工夫

星形吊り金具の計算書の図を一部公開

強度計算書は、作成した本人だけが理解できる内容では、現場で十分に活用できません。今回は以下の点を意識して、誰が見ても根拠を追えるよう整理しました。

  • 複雑な吊り具の形状を図で示し、どの部位について何の強度を確認しているかを明示
  • 計算に使用した公式・前提条件を記載し、算出結果だけでなく根拠を追えるように構成
  • 安全率の設定根拠となる参照資料・考え方を計算書内に明記
  • 最終ページに検討結果をまとめ、許容吊り荷重を確認しやすい形で記載
補足:

計算箇所を図で示したことで、現場作業員も、どの部分に腐食や損傷が生じた場合に使用を控えるべきかを判断しやすくなっています。計算書は「提出して終わり」ではなく、現場での日常点検にも活用できる資料として機能します。

許容吊り荷重の明確化と納品物

星形吊り金具強度計算結果

納品物は、許容吊り荷重の根拠を記載したPDF形式の強度計算書です。本案件では設計変更を行わず、既存形状に対する強度評価を完了しました。

これまで曖昧だった許容吊り荷重が数値で明確になり、現場担当者や作業員への説明資料として活用できるようになりました。お客様によると、従来は吊り具の安全性を説明するために約30分かかることもありましたが、計算書の提出後は許容荷重と根拠資料を示すことで、5分未満で説明できるようになったとのことです。

注意点:

強度計算書は、設定した形状・材質・溶接状態・荷重条件を前提としたものです。実際の使用時には、変形・亀裂・摩耗・腐食・溶接部の損傷などについて、継続的な点検も必要です。計算書の条件と現物の状態が一致していることを、使用のたびに確認してください。

同様の吊り具強度計算について

自社で製作した吊り具や治具について、以下のようなご相談に対応しています。

  • これまで問題なく使用しているが、許容荷重がわからない
  • 顧客や元請会社から強度計算書の提出を求められた
  • 現場で指摘を受け、使用を続けるための根拠資料が必要になった

ご相談時には、以下の資料をご用意いただくとスムーズです。

  • 材料の形状・寸法・材質がわかる図面
  • 溶接部の寸法や施工位置がわかる資料
  • 実際の使用状況がわかる写真(荷重方向や支持条件の把握に役立ちます)
補足:

今回の費用は50,000円、納期は約2週間でした。費用や納期は形状の複雑さ、検討部位の数、ご提供いただく資料の状態によって変わります。まずは現在お持ちの図面や写真をもとにご相談ください。

まとめ:

自作吊り具の許容吊り荷重が不明なまま使用を続けると、元請会社や現場から突然使用停止を求められるリスクがあります。今回の事例のように、既存形状のままで強度計算を行い、PDF形式の計算書として納品することで、現場での説明時間を大幅に短縮できた例もあります。

「うちの吊り具でも対応してもらえるのか」「どんな資料を用意すればよいのか」といった段階からでも、お気軽にご相談いただけます。図面や写真をもとに、対応可否と費用・納期の目安をお伝えします。専門家への相談を早めに行うことで、現場での使用継続に必要な準備を計画的に進めることができます。

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