吊り具

吊り金具の許容荷重を強度計算で確認|安全率5の計算書作成事例

自社で製作した吊り具について、「本当にこの治具で重量物を吊っても問題ないのか」と提出先から確認を求められ、対応に困った経験はありませんか。

建築現場や製造現場では、これまで問題なく使用していた治具であっても、許容荷重や安全率の根拠を数値で示せなければ、急に使用できなくなるケースがあります。

特に、社内に強度計算を行える担当者がいない場合、計算書の作成だけでなく、現場担当者が相手先へ説明できる状態にすることも重要です。

この記事では、三角吊り金具の許容吊り荷重を強度計算で確認し、PDF計算書と解説動画を納品した実績を紹介します。吊り具や治具の安全性を数値で示したい方は、依頼前の対応範囲や必要資料の確認にお役立てください。

吊り具強度計算の実績概要

吊り具概要図面

今回は、建築業界のお客様からご相談いただいた「三角吊り金具の許容荷重検討」の実績です。対象は、鉄骨を吊る際に使用していた三角吊り金具で、自社で設計・製作された既存の吊り具でした。

これまで現場では問題なく使用されていたものの、ゼネコン側から「この吊り具で重量物を吊っても本当に問題ないのか」という確認が入りました。口頭説明だけでは安全性を示すことができず、許容吊り荷重を数値で証明できる強度計算書が急遽必要になったため、ご依頼をいただきました。

案件の概要は以下のとおりです。

項目 内容
案件内容 三角吊り具の強度検討
ご相談内容 建築現場で使用していた治具について、強度に問題がないことを示す資料がないと使用できないと言われたため、安全性を証明できる強度計算書を作成してほしいというご相談。
対応内容 安全率5を考慮したうえで三角吊り具の強度検討を実施。最も耐荷重が弱い部位を計算で確認し、許容吊り荷重を算出。
納品物 PDF形式の強度計算書、現場担当者が説明できるようにするための計算書解説動画
費用・納期目安 費用:5万円(税抜き)/納期目安:2週間
相談時に必要な情報 吊り具図面(材質がわかるもの)、実際に使用している写真、治具単体写真

吊り具の許容荷重を示せないという課題

お客様の課題は、現在使用している吊り金具が「どのくらいの荷重まで吊れるのか」を社内で計算できないことでした。強度計算を行える担当者がいないため、現場担当者に対しても顧客に対しても、明確な数値をもって説明できない状態でした。

注意点:

建築現場では、重量物を扱う治具に対して安全性の根拠を求められる場面があります。これまで使えていたという実績だけでは不十分で、図面・材料・荷重条件・計算根拠を整理した強度計算書が必要になります。

今回も、計算書がないままでは吊り具を使用できない現場が複数あり、業務に支障が出ていました。そのため、単に計算結果を出すだけでなく、次の3点を説明できる資料が求められていました。

  • なぜその許容荷重になるのか
  • 安全率5の根拠は何か
  • どの部位が最も強度上の弱点になるのか

強度計算書作成で行った対応内容

使用状況と荷重条件の把握

最初に行ったのは、吊り具が現場でどのように使用されているかを把握することです。何を吊っているのか、吊り金具にどの方向から荷重が作用するのか、どの部位に応力が集中しやすいのかを整理しました。

今回の吊り具は、鉄骨を基本的に垂直荷重で吊る構造でした。そのため、吊り具を引っかけるプレート部分と、2つのプレートをつなぐパイプ部分を中心に確認しました。

材料・確認項目の整理

使用材料と確認項目は以下のとおりです。

項目 内容
使用材料 SN490B、STK400
確認項目 せん断・引張・圧縮・安全率
参考基準 クレーン安全規則(安全率5を適用)

弱点部位の特定と許容荷重の算出

吊り具_許容せん断荷重検討

計算では、まず弱点になりやすい部位を見極めました。今回は、吊り具を引っかける金具のへりあきが小さい部分が強度上の確認ポイントになると判断し、そこを中心に強度検討を実施しました。最も耐荷重が弱い部分を計算で求めることで、吊り具全体としての許容吊り荷重を確定させました。

計算書には結果だけでなく、どの公式をもとに計算しているかも記載し、第三者が内容を追いやすい構成にしました。

安全率5の根拠を説明しやすくする工夫

吊り具強度検討_計算式詳細

今回の案件で特に重視したのは、「現場担当者が説明できる計算書」にすることです。強度計算書は、専門的な数式や自動計算結果だけが並んでいると、作成者以外が内容を説明しにくくなります。

そこで、必要以上に複雑な公式を使うのではなく、吊り具の強度確認に必要な部分へ絞り、できるだけ簡潔な計算構成にしました。以下の点が追えるように整理しています。

    • どの部位に注目したのか
    • なぜそこが弱点になるのか
    • どの公式を使って許容荷重を求めたのか

さらに、強度計算書の内容を説明する解説動画も作成しました。動画では、一つひとつの公式の意味、安全率5を用いる理由、最も強度が弱い部分をどのように判断したかを解説しています。

補足:

解説動画は、実際の図面を使って説明しているため、現場担当者が顧客や元請けに対して説明する際にも、自社の吊り具の話として伝えやすい資料になります。強度計算に慣れていない方でも、計算結果の意味を理解しやすくなります。

強度計算書と解説動画による成果

納品物として、許容吊り荷重の根拠を記載したPDF形式の強度計算書と、担当者説明用の強度計算書解説動画を作成しました。

お客様からは次のような評価をいただきました。

  • 実際に使用している図面をもとに作成された計算書のため、説明しやすかった
  • 解説動画で計算の根拠や安全率5の考え方を事前に理解でき、現場での質問にも対応しやすくなった

成果として、これまで「許容荷重がわからないため使用できない」とされていた現場が3件ありましたが、計算書を提示できるようになったことで、使用できない現場を0にすることができました。

これは、単に計算書を提出しただけではなく、担当者が説明できる状態まで整えたことが大きなポイントです。強度計算の結果を現場で活用するには、数値だけでなく、説明できる根拠資料として整備することが重要です。

📄 強度計算書サンプルをダウンロード(PDF)

吊り具・治具の強度検討もご相談ください

自社で製作した吊り具、治具、ブラケット、架台などを現場で使用している場合、ある日突然、顧客や元請けから強度の根拠を求められることがあります。図面や材料情報はあるものの、強度計算書がなく対応に困るケースは少なくありません。

ご相談いただく際には、以下の資料をご用意いただくと検討がスムーズです。

  • 吊り具図面(材質がわかるもの)
  • 実際に使用している写真
  • 治具単体の写真

次のようなお悩みをお持ちの方は、ぜひご相談ください。

  • 今使っている吊り具の許容荷重を知りたい
  • 顧客提出用の強度計算書が必要
  • 現場担当者が説明できる資料まで整えたい
まとめ:

吊り具や治具の安全性は、「これまで問題なかった」という実績だけでは証明できません。許容荷重や安全率の根拠を数値と計算書で示せるかどうかが、現場での使用継続に直結します。

強度計算書の作成が後回しになっていると、急な確認要求に対応できず、現場が止まるリスクもあります。早めに専門家へ相談することで、資料の不備による現場トラブルを未然に防ぐことができます。

使用状況・荷重条件・材料をもとに、許容荷重と安全率を整理した強度計算書の作成から、担当者が説明できる解説資料の整備まで対応しています。まずはお気軽にご相談ください。

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