地震

耐震Sクラス対応(ビルの大型ファン架台の強度検討)

安全とマニュアルで現場を改革

図面と目的、必要な数値だけご提供いただければ、後は丸投げで強度計算を対応しております。

SMT Supportでの改善事例をご紹介いたします。

今回は、実際にご依頼いただいた
「耐震Sクラス対応ファン架台の強度検討」
の流れをかんたんに、ご紹介いたします。

強度に不安のある設備をお持ちの方は、
この記事を機に、安全確認の是非、ご検討ください。

ご依頼内容


設備架台の設計・製作を行うお客様より、
「ビルに設置される大型ファンの架台が、
 耐震Sクラスの地震荷重に耐えられるか?
 確認してほしい。」

耐震Sクラス(大地震に耐えうるクラス)が、
どんな荷重条件か?
数値の根拠づけが分からず、
社内で計算ができない。

施工に必要なため、
 しっかり確認できる専門家に頼みたい。
と、ご相談いただきました。

 

対応方法詳細

① 材料・条件の整理

図面より使用部材・構造を確認し、以下の条件で計算を行いました。
・材料:SS400(許容引張・曲げ応力245N/mm²)
・架台部材:山形鋼
・アンカー:HSA(ウェッジ式締め付け方式、M10)

素材や形状、組み合わせ方(構造)によって
変動的になる数値を算出し、特定します。

・耐震Sクラス

今回の計算の要となる部分なので、
わかりやすく表記しています。

必要となる地震耐性(今回は大地震/震度6相当)に応じて、
クリアしなければならない負荷が異なります。
この基準となる負荷は、地域などによっても変動します。

参照

地域別地震係数(国土交通省告示1793号

その地方における過去の地震の記録に基づく震害の程度 及び 地震活動の状況その他 地震の性状に応じて国土交通大臣が、1.0~0.7までの範囲内で定めた各地域の地震係数(Z)は下記数値となります。

(建設省告示 昭和55年11月27日 建設省告示第1793号)
 改正  平成19年5月18日  国土交通省告示第597号

建築基準法施行令(昭和25年政令第338号)
第88条第1項、第2項及び第4項の規定に基づき、
Zの数値、Rt及びAiを算出する方法並びに地盤が著しく軟弱な区域として
特定行政庁が指定する基準をそれぞれ次のように定める。

② 強度確認箇所の抽出

アンカーボルトの作用荷重方向(RdA、RdB)、
水平、垂直地震荷重(FH、FV)を考慮し
計算モデルを作成。


地震による水平荷重FHが作用した時、
鋼材に作用する曲げモーメントが最大となるため
その部分を注視しながら強度計検討していきました。

4本柱で構成された架台でしたが、
地震荷重が偏って作用する想定とし、
あえて厳しい条件「2本で支持」として計算。

③ 強度計算の実施

最大曲げ応力は242.1N/mm²となり、
許容応力245N/mm²以下であることが確認できました。

→ 架台は耐震Sクラスの地震荷重にも安全に耐えられる
という結果となりました。

ご依頼者様の声

お客さまからの評価

とのお声をいただきました。

計算の感覚は分かっていても、
数値で根拠を示すのは難しい。

そんな時でも安心してお任せいただけるのが私たちの強みです。

最後に

強度計算書は、
構造物や治具の
安全性数値証明できる
大切な資料です。

この架台、本当に大丈夫?
と言われたとき
大丈夫です。問題ありません。
と返す根拠の資料になります。

長年使っているけど一度も強度を確認していない、
または図面がないけど不安…そんな場合でもご相談いただけます。

目的、必要な数値さえ教えていただければ、
できるだけご依頼者様の負担を減らす形で対応いたします。

ぜひお気軽にご相談ください。
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